2010.02.17
Causebrand
世界を救うショッピングガイド―Causebrand Handbook
忘れてました。ブログ中止期間中に、Jさんからいただいて読んだ本なのですが、再開したら
レヴューを書こうと思い、そのまま忘れていました。
コーズブランドとは、消費者が購入した商品の売上の一部が寄付されるなどして、社会に貢献できる
商品の総称だそうです。
Causebrand Lab.
いきなりから恐縮だけど、大体この種の話は胡散臭いのが多いのが難点です。
趣旨の高尚さ加減の割には、集められた資金の使途が不明で、不透明度が高い。
また、そういう印象に拍車をかけたのが、約5年ほど前に流行ったホワイトバンドでしょ。
「ほっとけない 世界のまずしさ」と云いながら300円もしたのに、貧困国への金銭的支援には
1円も割り当てられず、すべては製造流通費やNPOの活動費に充てられていました。
悪意は無いのは分かるけど、後になって白いヒモでいいんだとか、意思表示だとか云われても
言い訳にしか聞こえない。あれって、結局売り上げの中から一部を寄付したんですよ。
でもね、あれだけコンビニとかで売られてたのが、今では見かけない。その後は、どうなったのか
一般的には知られていない。例え地道に活動していても無責任だと言わざるを得ません。
あ、今回はホワイトバンドの件ではない。コーズブランドの話だ。
でも、これで分かったことは、我々は日々安価なものを求めて購入を繰り返しているにも関わらず、
金銭的に僅かなものでも社会に貢献したいって潜在意識は案外持っているということですよ。
でも、どうしたらいいのかも分からないし、寄付と云われても困るわけです。
中国の災害かハイチの災害かアフリカの飢餓かケニアのライオンか、何を救済すればいいのか
もしくは全てを救済すべきか、煩悩の多い僕みたいな人間には解りません。
でも、この本には様々な答えがあります。商品の売上の一部がNPOやNGOの活動資金になるの
ですが、そこに「騙された感」は存在しません(笑)
そしてどのブランドのどんな商品が、どんな支援に当たるのかを「途上国支援」「環境保護」
「子ども支援」「健康支援」「医療支援」「そのほか」に分類されています。
GUCCIはこうで、ボルビックはこうで、アップル社の赤iPODには、そんな意味が!(笑)
まさに目からウロコが落ちる思いですね。
そしてこれらのブランドメーカーがそれぞれの活動支援に責任を持って臨んでいるでしょうから
そういう心配は不要と思えます。
いつの時代も助けを必要としている対象があって、少しでも役に立ちたいと思う人達がいる。
その気持ちに嘘や偽りはなく、救済なんて偉そうにと卑下する必要もない。
この書籍は、昨年の春に刊行されたものなので既に情報は古いかもしれませんが、装丁のポップさ
とは裏腹に重い意味を持った気軽な良書です。見かけたらぜひ一度、手にとって見てください。