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2009.12.26

栗本薫よ、安らかに眠れ(1)

清志郎の訃報から立ち直れない頃に、今度は栗本薫の訃報が届きました。
これはこれで僕をまた更なる混乱に導きましたね(苦笑)
闘病中であることは知っていたし、弔意として素直にご冥福を祈る気持ちに
嘘、偽りはなく、生前の功績に対して感謝の気持ちもありました。
けど、混乱。
作家・栗本薫は僕の中では何年も前に死んでいたというか終わっていたし、
また違った意味で栗本薫が亡くなったと聞いても、亡くなったのは栗本薫じゃないだろうって
気持ちが渦巻いていました。栗本薫と云うよりは中島梓?今岡純代と云うほどに僕は彼女の
友人ではないし、本名は知っていても知らないふりしていたい。
と、なると今回亡くなったのは栗本薫の中の人ってことになるかなぁ。

彼女は中島梓の「文学の輪郭」で群像新人文学評論賞とかを受賞しています。
栗本薫として「ぼくらの時代」で江戸川乱歩賞を受賞しています。
「ぼくらの時代」の主人公は栗本薫と云う少年です。
ここからすべては始まりました。

ぼくらの時代 (講談社文庫)
「ぼくらの時代 」(講談社文庫)

僕は若い頃に小説を余り読まない友人や、読みたいけど何を読んでいいのか解らない友人に
この「ぼくらの時代」を薦めていました。
「ぼくらの時代」には等身大の視点と本を読む楽しさと気楽さがありました。
多分、最近、小説とか読んでないなぁって人には今でも通用すると思います。
まぁ、今なら東野圭吾とか他にもあるけどね。
でも、少なくとも当時流行ってたハーレクインとか森村誠一とか片岡義男とか90分ドラマの
原作になるような小説とは違う、文学がそこにはありました。

作家というのは亡くなっても作品が残ります。
どうしても生前の直近の作品や代表作に評価が集まりがちですが、彼女は短編や上下巻で
まとまるような小説に数多くの秀作を残していると僕は思っています。
それらの功績とそれらに対する僕の敬意と感謝の気持ちは、グインサーガがどうであれ、
他の事はどうであれ、薄らぐことは、ありません。
改めて、心からご冥福をお祈りします。

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