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2008.04.16

「洞海湾-九州任侠外伝-」雑感(表)

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(↑大入り袋だ!わーい!)
サモ・アリナンズプロデュースNO.25「洞海湾-九州任侠外伝-」を観ての雑感です。
(表)って何だ?(裏)があるのか!二重人格か!って云われそうですが、そういうことです。
まぁ、表でも裏でも嘘は書きません。単に持ち上げるだけのことは書きません。
視線とかの差ってことでお許し下さい。
ネタバレを含みます。あと気分を害される方もおられるかと思いますので畳んでおきます。
自己責任でどうぞ。
あ、長くなりそうだったので、敬称をすべて略させていただきました。ご容赦下さい。


僕は演劇に関しては詳しくない、トーシローです。
毎回のようにしている言い訳ですが、今回ばかりはそれが最も重要かもしれません。
だって、これが松尾スズキらしいのかどうか、僕にはさっぱり解りません。
さっぱり解らないけれど、松尾スズキって人は、シャイなセンチメンタリストだなと
感じました。もしくは、テレですかね。いきなりドロドロの差別発言やらシャブ中やら
商売女やら、もうほんとにどうしようもないもんは、どうしようもないんだよって
状態の坩堝。
これは以前のサモアリにも見られる特徴で、以前に書いたこともあるのだけれど、
ここまでエロくもグロくもなかったです。
以前のサモアリがあり得ない話ばっかりだったのに比べ、今回はリアリティ、ありあり。
いやこの程度でリアリティかと問われれば躊躇するけど、以前はそれぐらい子供じみて
いたから(爆)
で、松尾スズキの演出は、汚いものや嫌なものをズラーっと並べてみせた。
例えればガラスを爪で引っ掻くような、簡単だけど生理的嫌悪感を煽れるものを並べて
見せておきながら、最後にオクイシュージに綺麗な台詞を用意していました。
綺麗な台詞ってのは、こっ恥ずかしいし、浮ついてしまうけど、前述のような手続きを
踏んでいるので決まります。僕は、松尾スズキはこの台詞を描きたいがために、ドロドロの
手続きを踏んでいるとしか思えないのです。
で、そこんところをオクイシュージと家納ジュンコが演りきったと思います。
MVPはこの二人でしょ(^^)個人的に本当に素晴らしかったと思ってます。
小松和重も「コンちゃんどうしようもないじゃん!」って、観客に嫌悪感を抱かせるほどの
熱演でした(笑)いや、それは脚本なんですけどね。
でもね、序盤の飄々とした雰囲気を小松和重がうまく演じた結果、終盤に全て暴露されて
「あら?最低なのは、こいつじゃん!」でしょ?さすがです(笑)
平田敦子は、舞台の上手(かみて)に固定されたまま、それでも細かい演技を見事に
こなしていました。
やはり小松和重、オクイシュージと阿吽の呼吸まで合っているのは、平田敦子だなと。
アキ坊がSWの顔をコブラのサイコガンで擦るシーンなんか、絶妙の呼吸ですよ。
ありゃ、何だっ?ってくらいに。
平田敦子ファンにしてみれば、もっと出番を!って感じなのですが、あれが今回のサモで
松尾スズキ演出の最大のポイントであったと思います。
あの位置に固定してある平田敦子を野に放てば、舞台上で暴れまくるだろうし、それに
みんなが絡めば、いつものグダグダのサモアリワールドが展開されます、きっと。
もし、エマが平田敦子だったらと考えるだけで期待が膨らむ。いや、怖ろしい(笑)
ある意味、久ヶ沢徹にも同様なことが言えるかもしれませんね。
派手な演出で登場しましたが、敢えて自由にボケさせない。そんなヒマがない(笑)
必然的に小松和重が舞台上で笑い転げることもなく。
結果、松尾スズキワールドのサモアリに仕上がっていたんじゃないかと思います。
だからと言って役者の個性は殺されていた訳ではなく十分に発揮されていたと思います。
夏目漱石は小説「三四郎」の中で、
『下北沢より東京は広い。東京より日本は広い。
日本より松尾スズキの頭の中のほうが広いでしょう。
とらわれちゃだめだ。いくらサモアリのためを思ったって
贔屓(ひいき)の引き倒しになるばかりだ。』と書いています(嘘)
いつも通りのサモアリをやろうとすれば、いくらでも出来たと思います。
でも、外部から脚本・演出を呼んでくるなら、これくらいいつもと違うサモを見せて
くれなければ、勿体ないと思います。
たまらないくらい臭い「洞海湾」の中に、黄金色のシャンパンの泡を対比させた
松尾スズキ演出のサモアリのこの作品を、僕は心から楽しみました。
正直に素晴らしい作品であると思っています。
あ、最後に「のっけから差別発言」って書いたけど、当然の話、松尾スズキの中に
差別意識はないと思います。よくもまぁポンポンと並び立ててって感じの中には、
言葉で罵倒してるほど気持ちがこもってないというか、正直な分、悪意がないというか。
ああやって話を進めると、観ている側にはエマやカスミに対する蔑む意識が出るでしょ。
また、差別発言を繰り返すアキ坊や金やんも蔑むでしょ。
それこそが差別であり、松尾スズキは観る側の差別意識を喚起しているだけです。

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Comment & Trackback

お疲れ様でした。
私はIWAさんの一週前に観覧いたしました。
ドットコムの方にもいろいろ書き込みがあるようですが、私は一回しか見られなかったので、忘れちゃったシーンも数多く・・・(苦笑)
松尾作品は何回も見たことありますが、サモ・アリとしては、いろんな意見があるだろうな~と思いました。
アンケートには、「松尾色が強かったです」と書いてしまいましたが、楽しめたことは確かです。
サモ・アリ最高!!

追伸:
でも一番楽しかったのは、「昔の侍」DVDの特典映像かもしれません(爆)

テグさん、いらっしゃい。
うん、皆さん受け留め方が違わなきゃ面白くないしな(笑)
でも、楽しめたならそれでいいと思います。
今後もサモアリは続いていく訳だから。

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